2023年7月12日、27歳という若さでこの世を去ったタレントryuchellさん。離婚問題、性への多様性問題、そして誹謗中傷問題。さまざまな問題があるなかで、自分たちがryuchellさんの死を通して学ばなくてはいけないことは何か。
この記事を読むことで、婚活を頑張っているみなさまが少しでも幸せへの手がかりをつかむことができるように、分かりやすくまとめていきます!
「性への多様性」「離婚」など、婚活する前から、こんなこと考える必要ってあるの?と思いますが、婚活のゴールは結婚生活のスタート。永遠に幸せに生きていくためには、「他人ごとにしないこと」が一つのカギです。この記事を読んで、「自分はこう思う」という意見をもつことができたら、それが幸せへの第一歩。ぜひ、一緒に考えていきましょう!
問題① 離婚問題を考える
芸能人は特に、世論(世の中の意見)の反応を大きく受けます。ryuchellさんも2017年9月10日に結婚し、男の子をもうけました。しかし、2022年8月25日に離婚。夫婦としてではなく、パートナーとして、子育てをしていこうと、約束していたといいます。
この離婚の際、SNSにはいろんな意見が飛び交いました。
・子どもがかわいそう
・結婚して、子どももできてから自分は女として生きないなんて身勝手だ
・だったら最初から結婚するな。相手(奥さん)がかわいそう。
この、「子どもがかわいそう」「お相手に失礼だ」というコメントは、離婚する際いたるところで言われます。最近でいうと、広末涼子さんの不倫→離婚の際にもSNSでこの言葉が多く飛び交いました。広末さんは、芸能活動無期限休止に追い込まれるほど、不倫→離婚問題は大きく影響を受けました。
でも、陣内智則さん、笑点に出演していた三遊亭円楽さんのように、不倫をしてもお仕事をそのまま続けられている人もいます。
「子どもがかわいそう」というのなら、どちらにも子どもはいて、かわいそうは変わらないはずなんです。それでもなぜ、かたや仕事ができなくなるほど影響が大きくなってしまうのでしょうか。
日本人の気質「みんな同じ」「我慢は美徳」
みなさんは、こんな話を聞いたことがありますか?
「この人になんて言ったら崖から飛び降りるのか。」という話。これ、多数派は国によって違うそうです。
アメリカでは、「お前はヒーローだ」
イギリスでは、「お前はジェントルマン(紳士、男らしい)だ」
そして日本では、「みんなやってるから」
と言われると飛び込みやすくなる、とのことでした。
日本の教育では、「我慢」や「同じ」ことを求められます。そう、「我慢して周りと合わせられることほど美」。という教育を受けて大人になってきています。親からも比べられて育ってきた人は、自分の子どもにも「我慢しなさい」と、「あの子はできているのに、どうしてあなたはできないの?」と他者と比べて自分の子どもを怒ってしまいがちです。子育ては第二の自分育てですから。これまで自分が受けてきた教育がそのまま出てきます。
こういう社会の中では、当たり前に「人にも我慢を要求しがち」になります。さらに、悪いことをした人への誹謗中傷が激しくなってしまいます。理由は「みんなも悪いって言っているから」「いいね!がたくさんつくから」です。それが、りゅうちぇるさんや、広末さんへの誹謗中傷の原因です。
「みんなと同じ」の落とし穴
「みんな同じ」には大きな落とし穴があります。それは、難しい言葉でいえば「倫理観の欠如」。分かりやすくいうと「正しいかどうか自分で考えなくなる」ということです。
正しいかとか間違っているか、それは幸せにしてくれるのかそうでないのか、とかそんなことが問題ではありません。自分の意見はみんなと一緒なのかどうか、周りに合わせることができているのか、多数派になって共感してもらえるのか、が大事になります。
なので、会見で上手に不倫問題を笑いに変えられる陣内さんや円楽師匠などは、その会見を見て「おもしろい」と思う人が出てくるので、多数派にはなりにくい。だから、誹謗中傷が炎上しにくいのだと思います。(男女の違いもあると思いますが、それはまた今度書きます)
そして、残念ながらこの考えだけでは自分を幸せにはしてくれません。
今や3組中1組は、離婚をする時代。…でも?
昔と比べ今は離婚を選択する人が増えてきました。かういう筆者も、二回離婚をしています。でも、3組中2組は結婚生活を続けています。どちらが多数派かというと、結婚を続けている人の方が「多数派」なのです。
多数派の中には
・夫婦円満な家庭
・どちらか一方だけが不満を抱えている家庭
・本当は離婚したいけど、経済的に難しいから(もしくは周りの目を気にして)離婚できない家庭
など、さまざまなタイプがあります。特に自分も我慢して生活をしている人にとっては、りゅうちぇるさんのように、自由に生きようとしている人に対しては「自分は我慢しているのに」と怒りを向けやすくなってしまいます。
自由に生きようとしている人に対して「自分は我慢しているのに」という怒りが向く。「子どもがかわいそう」と、当人同士で納得して決めた結論に対して、SNSという凶器をつかって攻撃してくるのです。
問題② 性への多様性問題を考える
もう一つ、りゅうちぇるさんの死から私たちが考えなくてはいけないことは「性への多様性問題」です。現在日本では「同性婚」は認められていません。先ほど書いた「みんな一緒」に育ってきた日本にとって、「人とは違うこと」を個性として受け止めるには、まだまだ大きな壁がありそうです。
同性婚について
同性婚に理解を示し、同性婚を認めたデンマークでは、LGBTの方の自殺率が、なんと46%も減少した、という記事を読みました。(詳しくはこちら)
現在、LGBT政策情報センターによると、同性婚を認めている国はアメリカ、台湾をはじめとする23か国。G8などの国も同性婚を認めている国が増えてきているなか、日本はいよいよ少数派になってきました。「みんなやっているのに」日本は認めない。という構造が浮き上がってきているのです。
同性婚とパートナーシップ条例のちがいとは
東京都でも「パートナーシップ証明書」を発行するようになり、自治体では、LGBTを理解する動きが広がってきています。ただ、日本という国の制度として「同性婚」は認められていません。つまり、税制上の優遇がないということです。具体的には
・相続税などもなく他人のままなので、どちらかが亡くなってしまった場合、税金がかかる。
・親権もないため、「代理母」などで子どもをもうけても、戸籍上親にはなれない。
・税金もないので、扶養制度もつかえない。
・保険なども「家族割」の適応はされない。
などです。パートナーシップ証明書というのは、パートナーとして認めているという証だけで、それで税制などが優遇されているわけではありません。
なぜ日本は「同性婚」を認めないのだろうか
ここからは少し政治の話になりますが、日本は同性婚を認めようという動きは少ないです。その理由としては、「同性では種を残せないから」法律として認めるわけにはいかない、という意見です。
また、代理母を依頼して代理出産が増えるのも「健全ではない」という意見もあります。
さらには、税金をだまし取るために、同性婚を利用する可能性がある、などの意見も聞きました。
子どもにとって、幸せになれることを考えているのか、健全な子育ての基本は「血のつながった親子であること」「両親がそろっていること」なのに、同性婚を認めてしまったら健全ではなくなってしまう、というのが今の政治の見解のようです。
あなたは同性婚に賛成ですか?反対ですか?
さて、ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。ここで、少し手を止めて、「自分はどんな意見なのか」を考えてみてください。
実はこの「自分はどう思うか」を考えることが、「幸せな結婚生活を過ごすために大切なこと」だと筆者は思います。
今の日本で幸せに生きていくためには、自分の意見をもつこと、これがとても大事です。婚活は、自分にとってぴったりの相手を見つけていく作業。こういった問題に自分ならどう考えるかという作業を繰り返すことで、自分というものが見えてくるようになります。自分なりに自分に問いかけて、自分はこう思うという意見をもつこと。これは幸せへの道だと思っています。
では、私もつたないですが、自分の意見を書こうと思います。
私は同性婚に賛成です。理由は、同性婚を認めないことが差別を生み出してしまうからです。私は仕事柄、障がい者の方々と一緒に働くことが多いです。本人やご両親と話すことも多いのですが、やはり一番気にしているのは周りの人からの「差別」です。
・悪口を言われないか
・人と違うことでいじめられないか
・「気持ち悪い」と言われたらいやだ
などです。「みんなちがって、みんないい」という金子みすずさんの詩がありますが、現実は、人とちがうことで差別的な見方をしてしまう人、それを口に出してしまう人、いじめやからかいの対象にしてしまう人が少なからずいます。
人と違うことを抱えている人は、必要以上にカミングアウトはしません。差別されることやそれを攻撃されてしまうことを恐れているからです。
そう、人が一番嫌なのは「差別されること」なんです。同性婚を認めないという国の行為は、国として「健全ではない」という言葉を使って差別しているのです。国が方針を変えても人の心はそんなに簡単には変わりません。だからこそ、「ちがい」を受け止められる国にしていかないと、みんなが幸せにはなれないと私は考えます。
問題③ SNSによる誹謗中傷問題を考える
最後に、SNSの炎上問題についても考えたいと思います。りゅうちぇるさんの死後、Twitterからはアンチコメントが次々と削除されたようです。逆に残しているアンチコメントには「お前が殺したんだ」「人殺し」などのコメントも入っています。
正直、SNSが盛んになって、芸能人のみなさんはますます生きにくい社会になってしまったと感じます。誰にだって失敗はある、うまくいかないことはある、と思うのに、でもそれをSNSという武器をつかって集団で攻撃されたら、誰だって心は傷つくはずです。しかも、日本という国は「みんな使っているから」「みんな知っている人がCMしているから」という理由で簡単に商品が売れてしまう国だそうです。「○○なのに・・」という言葉に縛られないよう、自由に生きれる社会が作れないものかと、心から思います。
誹謗中傷については「カズレーザーと学ぶ」でも特集されていましたが、おもに中年男性・管理職の方に多いようです。
そして、スマホの向こう側には人がいるということを意識してほしい、というこを訴えていました。まさに、その通りだと思います。
誹謗中傷に迷ってしまったら…
最近でいうと、小島よしおさんがそれこそ「同性婚を認めたほうがみんなもっとハッピーになる」というツイートをして、そのツイートにはたくさんのコメントが集まっていました。
・影響のある芸能人が安易にそういうことを言ってはだめ
・それって、本当にそうと言い切れるんですか?
・もう少し考えて発言してほしい
などなど…。
結婚を意識しているお相手が、テレビやスマホに向かってこんなことを言っていたらどうします?ああ、そうかもしれないな、と思いますか?何となくもやもやするから、その人からは離れますか?
この「アンチコメント」に対して、痛快な回答をしてくれている本を見つけたので、紹介しますね。
自分の意見で生きていこう 「正解のない問題」に答えを出せる4つのステップ [ ちきりん ] 価格:1,650円 |
ちきりんさんの、「自分の意見で生きていこう」という本です。
この本の中にはSNSのコメントの中には「意見」と「反応」の二種類があって、「反応」というのは自分の意見がないからただ言っているだけ、気にしなくてよしと書かれてあり、さきほどの3つはどれも「反応」であることが分かります。反応だって分かると、そのコメントに自分の心が傷つく必要はないなと思えて、とても痛快です。ぜひ、読んでほしいなと思います。(特にSNSを発信していて、アンチコメントを受ける可能性のある方は特に)
私は、IメッセージとYOUメッセージという側面で考えたいと思います。誹謗中傷をする人は、YOUメッセージが多い。自分はこう思うというIメッセージではなく、あなたの意見ってこれがダメですよねのように、人を批判することやその人の欠点を見つけることにしか目が向かなくなってしまっているんですよね。
もし気になるパートナーがアンチコメントをしていたら、「意見」なのか「反応」なのか冷静にみつめてあげてください。そして、「反応」だな、と思ったら、
「で、あなたの意見は?あなたはどう思っているの?」
と優しく聞いてあげてほしいなと思います。
まとめ ryuchellさんの死から、幸せになる道を考える
最後に、りゅうちぇるさんのご冥福を心よりお祈りいたします。そして、改めて差別や区別のない国へ、心ない誹謗中傷のない社会へ、大人も子どももストレスの少なくなるような社会へ、
みんなちがって みんないい
の社会へ、自分に何ができるのかを考えて進み続けることが、幸せへの第一歩になると思います。
今回の記事で、自分のことをもっと知りたいなと思ったら、「アラフォー婚活 婚活疲れに効く5つのリフレッシュ法」をお読みください。
みなさんが、永遠に幸せになりますように。